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今月の自治会報が届いた。


記事の中に、ー戦争を語り継ぐーという1面が。


満州から引き上げてこられたご婦人の記録。


夫は、招集され、3歳の男子と身重の身体で、

外地で、終戦を迎えられた。

丁度、母の年齢ぐらいか。


引き上げまでのご苦労は、想像に絶する。


戦後62年、今年もこの日が近づいた。


第二次世界大戦を語り継ぐ人も
年々少なくなっていく。


この方に比べれば、親の庇護の元で受けた

体験など、語るほどのことでもないかと

思ってきたけれど。


就学前の子供の記憶なんて

ほんとに僅かであるし・・。


でも、戦争を語れる最後の年代かもしれない。

戦争を知らない人たちに、

私の忘れられない体験のひとコマを
書き留めておこうと思った。



私たち一家 父母と幼児3人は
千葉に住んでいた。


戦局がだんだん厳しくなってきて
父にも召集令状が来た。


30代半ばの父に赤紙が来るようでは
終戦間近だったのだろう


母は3人の女の子を連れて
空襲を避けて岐阜に疎開した。


自分の実家近くの借家に住んだ。

ところが、皮肉なことに、そこで被災したのだ。


運び込んだ家財道具諸共
焼け出された。


千葉の家は無事だったのに。


その夜、風邪で熱のある母を中心に
ぐっすりと寝入っていた夜中。


蚊帳を吊っていたから夏だったのね。


けたたましいサイレンの音に飛び起きた。


天井から下がる、黒布で囲った電灯も消えて真っ暗闇。


母は手探りで末の妹を背負い、
両手に二人の子供の手を引いて
家を飛び出した。


私の手には、いつも枕元において寝たワラジが
しっかり握られていたのを、思い出す。


玄関の外で、お隣の遊び友達のお姉ちゃんが

大声で泣いて、母親に叱られていたなあ。
「00ちゃんを見なさい!
あんたより小さくても、泣いてなんかいないでしょ!」


その子は一人っ子だった。

別れを告げた覚えもなく、それっきり会ったこともない。



外は、遠くに落ちる焼夷弾の明かりで、昼間の様な明るさ。



「橋が落ちるぞー!」
どこの橋か分からないが、そんなどなり声が飛び交っていた。



燃えている両側の家の炎が頬に熱い。

妹はそれが嬉しいと、母の背で、
「ホッホッ」とはねていたっけ。


ガラガラガラガラ!
男手のある家では、家財道具を、
積んだリヤカーを引いて逃げる。


車輪に轢かれたら大変なので、走ることもできない。

唯、阿鼻叫喚の中、人波に押されるように、

親子4人は必死で橋を渡った。


そこは、ひろーい農場のようなところ。

周りを囲む植え込みの陰に母と3人の子供は
寄り添って、うずくまった。


わたしの防空頭巾に降り掛かる火の粉を

払いながら母が言った。

「死ぬときは みんな一緒だから。いいね」

その顔をじっと見あげながら「うん」と
頷いたことを鮮明に憶えている。


不思議と恐怖感はなかった。


今思うに、私が日ごろは用心深いくせに、
妙に、諦めのいい性格の原点はここにあったのかも?


そのシーンがあまりにも強烈なせいか
その後のことを全然覚えていない。


数日後(数十日後?)、

父の実家の門前で遊んでいるとき
リュックを背負った大きな父が

ゆっくり近づいてきた時の声にならない喜び。


下の妹の か細い足を撫でながら、
「俺が帰ってきたから、もう大丈夫だ」と
つぶやいていた父の言葉が、

すごく力強く感じたことなどが

断片的に浮かんでくる。


68歳で逝った母とふたりで、生前、何度この
思い出話をしたことか。


死線をみんなで乗り越えられたことに
いつも感謝で涙しながら。


戦後生まれた弟はもちろん、妹たちにも
これだけの記憶はない。


父に頼りきりの気弱なお母さんだと映っていたのかも。


でも、私だけはわかっている。


今の平和な世の中で、私たちがどんなに偉そうなことを言っても

戦火の中、3人の幼児を必死で守ったあの日の母の強さには
到底及びもつかないことを。


この、ご婦人においておや!である。


孫にも、子孫にも、あんな思いは
させたくない。


世界から、戦争のなくなる日が来てくれることを、
そして、日本の平和がいつまでも続くことを
心から祈るのみです。           合掌



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